はじめに
「チラシ、何枚配ったかは分かる。でも、効いたのかは分からない。」
店舗や教室の現場で、何度も聞いてきた言葉です。
Instagramのインサイト、LINEの管理画面、Google Analytics。それぞれ単体では数字が出る。なのに、同じ案内を紙にもLINEにも載せたとき、「どこがいちばん開かれたか」が並ばない。
アクセス解析を入れても、紙のQRは「外部流入のひとつ」にしかならないことが多い。短縮URLは短くするのが仕事で、比較の画面までは面倒を見てくれない。
そこで、貼る場所ごとに計測リンクを分ける専用ツールを自作しました。名前は Linkミエル。
この記事は宣伝というより、**「何を測らないと決めたか」**の開発ログです。

結論を先に
Linkミエルで分かるのは、だいたいこれだけです。
- チラシ/LINE/Instagramなど、計測リンク(QR)が開かれた回数
- 場所ごと・人ごとの比較
- 日ごとの推移
分からないものも、最初に宣言しています。
- 来店人数
- 紙を「見ただけ」の人数
- 買った人数・売上
アクセス解析の代替ではありません。 サイト内の行動分析が欲しいなら、GAやClarityのほうが正しい。こちらは「同じ案内を、どこに貼ったかが効いたか」を並べる道具です。

なぜ既存ツールで足りなかったか
現場の「効いた?」は、だいたいこういう比較です。
| 置き場 | 既存ツールで見えるもの | 足りないこと |
|---|---|---|
| チラシQR | 短縮URLのクリック、またはGAの参照 | 他媒体と並べにくい |
| LINE | LINE内のクリック | チラシ・IGと横並びできない |
| リーチ・いいね | リンクを開いた回数とは別物 |
いいねが取れても、プロフィールのリンクが開かれていなければ「反応はあるが、案内には届いていない」。ここを取り違えると、施策の話が噛み合いません。
だから設計の中心はシンプルにしました。
- 行き先URLは同じでよい
- 貼る場所(チャネル)ごとにリンクを分ける
- 同じ画面でクリックを並べる

技術スタック(ざっくり)
個人開発+小さく本番運用、という前提です。
- フロント: Next.js(App Router)
- API: Laravel
- インフラ: Docker + VPS(独自ドメイン・短縮ドメイン)
- 課金: Stripe(Free / 有料)
- 計測: 短縮コードへのリクエストをキュー経由で集計(ボットは除外寄り)
「全部をGAイベントに寄せる」案もありましたが、紙のQR運用では リンクそのものが計測器 のほうが現場に近い。印刷後にリンク先だけ差し替えられるのも、紙運用では必須要件でした。
設計でいちばん大事にした境界
プロダクトの信任は、機能の多さより 「測れないことを言わない」 に寄ります。
美容室の例でいうと、スタイリスト個人のInstagramと店のチラシが同時に動くことが多い。同じ予約ページでも、人ごと・媒体ごとにリンクを分ければ「誰の案内が開かれたか」は並ぶ。ただし 来店に化けた人数までは分からない。
ここを曖昧にすると、ダッシュボードが嘘をつきます。

想定ユースケース
1. チラシ・ポスター
QRを載せて、開かれた回数を見る。印刷後もリンク先だけ変更可。
2. LINE / Instagram
投稿・プロフィール・ストーリーズ用にリンクを分ける。いいねと開封を混同しない。
3. スタッフ別
個人SNSや名刺ごとに分けて、頑張った人が数字で見える。

作り方の手触り
アプリ側の操作は意図的に薄くしています。
- 開いてほしいURLを貼る
- 場所(チラシ/LINE/IG/スタッフ名など)を分ける
- QR・リンクを配る
- 同じ画面でクリックを比べる
「設定なしで、どれがクリックされたか分かる」を、コピーの中心に置いています。

公開情報
- サービス: https://link-mieru.com/
- 料金: 無料から(詳細はサイトの料金ページ)
- 読みもの: https://link-mieru.com/guides
制作は Studio Puff 側のプロダクト開発として進めています。店舗向けの「重い解析」ではなく、紙とSNSが混在する店の比較に寄せた判断です。
おわりに
「チラシの効果」という言葉は便利ですが、指している数字が人によって違います。
来店なのか、開封なのか、売上なのか。
Linkミエルは、そのうち 開封(リンクが開かれた回数)だけ を真面目に測る道具です。足りないものも多い。だからこそ、現場の会話がズレにくくなる、という狙いがあります。
紙とSNSを両方やっている店の方、または同じ課題でプロダクトを考えている開発者の方の、何かの参考になれば幸いです。
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